モノクロの世界に色がつくように、食に対する意識が変わる!「くるるの杜」収穫体験 札幌周辺の子連れお出かけ情報

いくつになっても新しい体験は、別の世界へのドアを開いてくれる。

私は小さいときから野菜が嫌いだった。大人になってだいぶ克服したが、今でもきゅうりやキャベツの固いところは食べられずに残してしまう。

新鮮な野菜は明らかに味が違いおいしいのは分かるけれど、日常生活で簡単に手に入るものではない。

スーパーで売っている野菜に産地だけでなく作った人の名前や顔写真が載っていることがあるが、私にとっては何の意味もない情報だ。

そんな私はもちろん農業に興味がない。
「土いじりは楽しいよ」
実家で農業を営んでいる友だちはそう言うけど、何が楽しいんだろう。
かがんで作業をするのは腰を痛めそうだし、虫も苦手だ。

久しぶりに晴れた土曜日。こんな日はいつもと違うことをしてみたい。

「どこに行こう...」

そういえば、車に乗っているときによく目にする施設が気になっていた。

あれは確か「くるるの杜」。北広島市大曲にある。札幌からは車で約35分。
体験型農場、調理加工体験施設、レストラン、カフェ、農畜産物の直売所。
広大な農村空間にこれらを有し、消費者と生産者を結ぶ。

農作業・調理加工体験では農作物を観察したり、とれたてを食べたり、調理をしたり。
1年中農業を通して発見や感動を味わうことができる。

今回体験したのは「5色のいろいろトマトを収穫しよう」というプログラム。
*1口4名までで1,300円。体験時間は約1時間

栽培にまつわるお話しを聞いたり、クイズをしたりしてトマトを知る。

その後ビニールハウスで収穫体験。その場で試食もできる。持ち帰り用のトマトも自分で収穫する。

「くるるの杜の農業体験はただとって食べて終わりではありません。体験の前に作物についてお話しすることで農業や食に興味を持ってほしいのです」

まずは空調の整備された部屋でお話しを聞く。

トマト栽培のコツ、トマトはナス科であること、おいしいトマトの選び方などを教えてもらう。
 

トマトの花。ぱっと見花びらは5枚に見えますが、実は1枚なんです!

「お話しをすると『へー。知らなかった!』という反応をするのはお子さんよりも大人のほうが多いんですよ。』

確かにここで聞いた内容は発見の連続だった。

くるるの杜で栽培されているのは2種類のトマトと7種類5色のミニトマト
 



トマトが嫌いな人におすすめなのはプチぷよ。プチぷよだけは食べられるという人が多いそうだ。

普通のミニトマトの1/3程度の大きさ。とても柔らかく、へたをとるだけでつぶれてしまいそう。

味はトマトジュースみたいに濃厚。「トマト」と聞いて連想する味とは全然違うので「このトマトなら食べられる」という人がいるのは納得。

全種類食べ比べた中で私が一番好きなのはピンキー。
こちらも濃厚だけどプチぷよよりはあっさり。食べる手が止まらなくなる。

参加したとき旬を迎えていたのは紫色のトスカーナバイオレット。
見た目とは全然違ってみずみずしい甘さ。



トマトのグラデーション

ただとって食べるだけならこんなに心を動かされることはなかったし、「来て良かった!!」と心から思うこともなかった。

普段なにげなく食べていたありとあらゆる食材。
私たちの手に届くまでにどのような物語があったんだろう。
大切に育てられた作物をいただくことの重みやかりがたみを感じるようになった。

そして自分で作物を栽培し、収穫して食べることは、想像以上の喜びを与えてくれるんじゃないだろうか。

毎年のように始めようと思いながら行動に移せなかった家庭菜園。
ついに始めるときが来たかもしれない。

間もなく2歳になる息子もビニールハウスの中の見たことのない光景に興味津々だった。

ハウスの中を歩き回り、収穫のお手伝いをしてくれた。

くるるの杜ではこの他に「地産地消を実現する」ランチバイキングも楽しめる。
11時開店のレストランに10時からたくさんの人が並ぶほどの人気だ。
開店後も行列は途切れない。

私はまだ食べたことがないが、味は想像はできる。
目の前の畑で収穫された作物が提供されるのだ。

おいしいに決まっている。

くるるの杜がめざす「消費者と生産者を結ぶ『食と農のふれあい広場』」

子どもがいなければここに来ることもなければ、農業体験に参加することもなかっただろう。
子どものおかげで私はこの年になって色々なことを初体験している。


知識を得ることによってモノクロに見えていたものに色がつくように私は農業に興味を持った。

ここでの様々な体験が子どもにとっても農業や食に興味を持つきっかけとなるだろう。
 

くるるの杜

〒061-1270 北広島市大曲377-1

TEL:011-377-8700 (受付時間 9:00-17:00)

www.hokuren-kururu.jp